片想いの行方
第28章 目を覚ませ
▼Side... 蓮
屋上から階段を下り、教室のカバンを乱暴に掴んで。
プールに見向きもせずに校門を出た。
「…………クソッ…」
苛立ちを隠せないまま自転車のペダルを思いっきり踏み込み、並木道を抜ける。
そのまま川沿いの土手にあがると、俺はそこで自転車を降りた。
土手の下の広いスペースで、下校した中学生達がサッカーをして騒いでいる。
「…………………」
……部活が無い時に
あの場所で俺もヒメとよくやっていたな……
しばらくボーッと眺めた後、自転車を押しながらゆっくりと歩き出した。