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片想いの行方

第29章 逢いたかった


『……香月、あのさ…』




「は、はい!!」





蓮くんの声に、あたしは慌てて携帯を耳に押し付ける。




『もし体が大丈夫だったら、

ちょっと外に出て来れねー?』





「……えっ…?」





『今、下にいる』









………………!!



え……………!?







向かい側の窓を急いで開ける。




「…………っ」




庭の先にある道の、街灯の下で。




自転車に乗った蓮くんが、あたしを見つけて手を挙げた。

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