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片想いの行方

第29章 逢いたかった

「…………!」



蓮くんが、ふいに口を開いた。




「月曜日の屋上で。

香月が話しかけてくれたのに、変な態度を取ってごめん。

…許してくれる?」



「……う、うん………

許すなんて、そんな……全然だよ……」




…なんだろう……


蓮くんの表情が、いつもよりも穏やかで、優しい……


気のせいかな……?





「ここんとこ、ずっとタイムが出なかったんだけど。

今日部活で久しぶりに良いとこまでいったんだ。


……だから、もう大丈夫だ。


しっかり集中して、いつもの力が出るように最後追い込むよ。


応援してくれる陽菜達の為にも」




「……うん……!」



蓮くんが力強い声で言ったから、あたしはなんだか嬉しくなる。



良かった……



蓮くんは、水泳で輝いてる姿が1番だもの。

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