片想いの行方
第31章 片方のピアス
「似すぎてて、ほんと嫌になるわ。
あなたと蓮は、好きな女の子を見る表情も同じ。
2人して大人ぶってるから誰も気付かないけど、私には見た瞬間に分かったもの」
「……………」
いつものように冗談で返せばいいのに
言葉が出てこない。
「高校生のガキがませてないで、素直に認めなさいよ。
私は自分の気持ちに正直になったもの。
やり方が汚いから、願いは叶わなかったけど。
……あなたは、間に合う」
「…………!」
「 “ 蓮 ”。
人の事ばっかり考えてないで
たまには自分の真の心を、愛してあげなよ。
……恋愛において、遅すぎるなんてこと
この世にひとつもないと思うわ」