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片想いの行方

第32章 選択、そして決断の先に




▽Side... 優香



「さ~すがに、この世にひとつも無いっていうのは、言い過ぎなんじゃありません?」




彼がここから去っていった後



入れ替わるように、姉の麗子が近付いてきた。






「………盗み聞き?」




「あらっ。
人聞きの悪いこと言うわねー。

珍しく可愛い弟が頼んできたもんだから、フォローしに来てあげたのよ。


まぁ、ほんとのこと言うと

あいつから電話がかかってくる前に、気になって尾行してきたんだけど♡」




麗子は吸っていたタバコを灰皿に入れると、私の横に並んで座った。


そして、手に持っていたコンビニの袋の中から、缶ビールを取り出す。



「はい、餞別。

高校生のガキには出来ない発散方法が、私らにはあるわよ♡」



「……私達が飲めるようになったのも、今年からでしょ」



「まぁ、いいからいいから。

私なんて二日酔いに迎え酒よ。
優しい友人に感謝しなさい」




麗子は強引に私の手の中に缶ビールを置くと、自分のビールのフタをあけた。





……兄弟だけあって


こんな風に遠慮なく来るところ、そっくり。

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