テキストサイズ

片想いの行方

第33章 伝えたい想いを、あなたへ



▽Side... 美和




「…美和ちゃん、陽菜、緊張して心臓がバクハツしそうだよ……」




あたしの隣りで、胸を両手で押さえた陽菜ちゃんが呟いた。




「うん……あたしも………」









都大会。





自由形100m決勝。







蓮くんは予言通り、予選3位のタイムで決勝へ進出した。




都内の総合スポーツ施設の中にある、この試合会場は



この前の地区別大会とは比べ物にならないくらい、圧倒的な熱気と異様な空気に包まれている。




……あと5分としないうちに、蓮くんの最後のレースが始まる。




陽菜ちゃんの言葉の通り、あたしの心臓も破裂するほど高鳴っていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ