片想いの行方
第33章 伝えたい想いを、あなたへ
蓮くんは、体をあたしから離して空を見上げた。
「……ヒメに、釘を刺されてたんだ」
「……えっ!? ヒメ……?」
改めて蓮くんが呼んだその名前に、あたしはドキッとする。
釘を刺されたって……
殴られた理由………?
蓮くんは、あたしに目線を戻して
切ない顔で、ふっと笑った。
「……次に、香月を泣かせたら
許さないって」
「……………!!」
「………渾身の一撃だったよ。
あいつの想いが、全て込められていた」
蓮くんは、もう一度あたしの手をとる。
そして、真剣な顔で、あたしを見つめた。
「香月。
大切にする。
もう、絶対にお前を泣かせないから。
………約束するよ」