片想いの行方
第34章 真実の願い
▼Side... ヒメ
多分………
こんなに全速力で走ったのは、高校に入ってから初めてかもしれない。
元から足は速いし
別に、体育の授業で一生懸命になる必要もなかったし
だけど
今は
どうしても全力で走らなきゃならない、理由がある。
俺の願いとは別の何かが
俺の中でくすぶっていて
優香の一言で
その疑心が、確実な想いに変わってしまったんだ。
……だから
仲を戻せた蓮と、例えまた離れる事になってしまったとしても
俺は美和に、自分の想いを伝えるつもりだった。
この場所に着いて
あの2人の姿を見るまでは。