片想いの行方
第35章 いつかのお返し
▽Side... 美和
17歳のあたしは
ずっと想い続けていた蓮くんが、彼氏になってくれたことで
世界中で1番、幸せだと思っていた。
蓮くんがあたしに微笑んでくれることが、何よりも嬉しくて
あたしを抱きしめてくれる度に、彼のことが愛しくて
それから18歳になって、高校最後の冬を迎えても、変わらずにあたしは蓮くんに夢中だった。
だけど
本当は
あたしは世界で1番、大バカ者だったんだ。
思惑も、弄ぶ意思もなかったけど
蓮くんとヒメにとって、優香さんとあたしの何が違ったのかと聞かれれば
それにはもう、答えることができない。
ただひとつだけ言えることは
2人の蓮が
あたしが今まで出逢った人の中で
誰よりも心が綺麗で、真っ直ぐだったということ
それだけは間違いがなかった。