片想いの行方
第36章 心からの笑顔
▼Side... 蓮
俺とヒメは、一体なんなんだろう。
同じ街に住み、同じ学校で、同じ年齢。
それだけならまだしも、名前も同じ。
負けず嫌いな性格も、多分似ている。
ここまで揃えば、好きな女がかぶるのも仕方ない事だとさえ思える。
だけど………
俺たちは
お互いの想いが強ければ強いほど
相手の幸せばかりを願ってしまう。
こんなに苦しくなるまで、美和の事が好きなのに
俺はついに、あの愛しい手を離してしまった。
………ヒメの事を考えていたのもあるけれど
俺は、美和に
心から笑って欲しかった。
あいつの笑顔を
何よりも愛していたから。