テキストサイズ

片想いの行方

第38章 最後に、もう一度

あたしとアンナの席に来たその人から、少し離れた所で


優香さんは止まり、無表情のまま別の方向を見ている。



優香さん……


久しぶりに見たけど、相変わらずキレイだなぁ……



淡いグリーンのスプリングコートを着て、ふわっとしたゆるいウェーブを風になびかせて。


2人は、雰囲気も服装も対照的だった。




「その制服懐かしいなぁ~!
今日で着納めなんて寂しいね。

卒業おめでと!」


「ありがとうございます。

麗子さんに偶然逢えるなんて嬉しい。
どっか行く途中ですか?」



「うん、友達とイベント行くところ。

……っと、あなたはアンナの友達?」


麗子さんと呼ばれた彼女は、あたしを見てニッコリ笑う。



「同じく卒業おめでとさん!」


「あ…!ありがとうございます…!」



わ~!

かっこよくてドキドキしちゃう…!



あたしがその笑顔に見惚れていると、横からアンナが口を開いた。



「美和。この人は麗子さん。

私が行く大学に通ってて、色々アドバイスくれてたんだ。


…言ってなかったけど、ヒメのお姉さんだよ」





「……………!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ