片想いの行方
第48章 2人の夜
ヒメに借りた部屋着を着て、バスルームから出ると
「……わぁ!!」
ドアをあけたすぐ先にヒメがいて、私は驚いて声を上げる。
「……なんだよ人を化け物みたいに。
交代。
先に寝てくれ」
「……え? あ、あの……」
オドオドする私の横を通り過ぎて、ヒメはバスルームに入った。
「お前、今日は泣き過ぎだ。
泣くのって気力も体力も使うんだから、とにかく休め。
俺はソファで寝るからベッド入っていいよ」
「………でも………」
「言うとおりにしろよ。
これ以上ごちゃごちゃ言うと、襲うぞ」
「…………!///」
硬直した私を見て、ヒメはふっと笑うと
そのままバスルームのドアを閉めた。
………本当に、何もしないんだ………
べ、別に期待してるわけじゃないんだけど……
私の傍にいると言ってくれたのは、やっぱり同情心からきてるのかな……
私はなんとも言えない気持ちのまま、廊下を進んだ。