片想いの行方
第48章 2人の夜
「……ぷっ……」
思わず小さく笑ってしまう。
あのヒメが、この部屋で星を見たりするなんて……
はっ!
いや、待て待て。
もしかしたら、他の女の人が持ち込んだものかもしれない。
そして、2人で一緒に眺めてたり………
「……………」
私、何勝手に妄想してヘコんでるんだろう……
この部屋に女の気配は感じられないけど
日替わりで誰かを呼んだりしてるのかも。
……まぁ、いいんだけどさ……
なんとなく興味が湧いて、私はそれを持ってリビングの真ん中へ移動する。
部屋の電気を消して真っ暗にすると
手探りで球体の裏のスイッチを見つけ出して、ONに切り替えた。
「………わぁ……結構本格的………」
天井全体に広がるその細かい光は、星座もきちんと描かれていて
何万個という星空を映し出していた。