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片想いの行方

第64章 片想いの結末



▽Side... 美和




粉雪がキラキラと舞い、私とヒメの上に降り注ぐ。



蓮くんとヒメの、思いがけない同じセリフに



あぁ、やっぱり2人は誰よりも心が綺麗で、お互いよく似てるんだなって再認識しちゃって



寒さなんて全く感じないくらい、心が温かくなった。





ヒメには、今まで何度も抱きしめてもらっていたけど




力強い腕の中で、こんなにも穏やかな気もちになったのは初めてだ。






「………美和………」




頭の上から、ヒメの声が聞こえる。




「……なに?」


「寒い」


「……えっ?
あ、うん、そうだね……」





私が答え終わらないうちに、ヒメは私の手を取ってマンションの中へと進んでいく。





「……お前、ここでどのくらい待ってたわけ?」





エレベーターに乗ると、ヒメは私の目をじっと見て聞いてくる。





「……そんな待ってないよ」


「言えよ」


「………2、3時間くらいかな」


「…………」






う……


ヒメの表情がみるみる歪んでいく。


でた~……


不機嫌MAX顔……

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