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片想いの行方

第69章 ☆甘い夜

▽Side... 美和



……………


やばい。

この反応は……ちょっと引いてる?



渡したケーキの箱を見つめたまま、何も言わないヒメ。

私はその姿を見て、だんだんと焦り出した。



付き合ってまだ間もないのに、いきなり手作りなんて、やっぱり重かったかな。

高校の時から、ヒメが甘党だってことは知ってたから、張り切っちゃったんだけど……




「あ、あの……ヒメ……」

「これ、本当に美和が作ったの?」




いたたまれなくなって私が話しかけると同時に、ヒメが口を開いた。




「そ、そうだよ」

「その辺で売ってるやつより、格段に凄い出来なんだけど」

「うん……頑張った」

「俺の為に?」

「うん///」

「……………」




な、なんの沈黙!?

ドキドキしながら、ヒメの顔をチラッと見ると

ヒメはこっちを見ないまま、ぽつりと呟いた。




「………ありがとう」

「……………!!」




や……やった!!

ありがとうって言った!///

その一言だけで、嬉しくてテンションが上がる。



ちょっとでもいいから、喜んだ顔が見れるかなーって思って

さらにヒメに近寄って覗き込むと





「…………今、こっち見んな」





ヒメは、私と反対側にふっと顔を背けた。

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