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pure love

第5章 兆候?

「平野くん!」

雰囲気を察してか、こちらに駆け寄る凛。


「凛っ、見てくれた? 俺の勇姿」

パッと表情を緩めた平野が、凛に駆け寄り抱き締める。


かぁっと熱くなる身体。

「止めろ」

力を込めて平野を引き剥がす。


「は? 自分が運動音痴だからって俺に妬くなよ」

「妬いてねぇし」


平野の言葉に言い返せば、レベルの低い争いになるのはわかってる。

なのに、もう黙っていられなかった。


クラスメイトを、

奏を、

誰かに怪我をさせても何とも思わない。


でも俺はそれを見ているしか出来ない。



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