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pure love

第5章 兆候?

遠慮する凛を押し切り、1階まで見送る。

それだけで、かなり身体が辛い。

それでも、凛の前ではカッコ付けたい。

俺はなんでもない風を装って、笑顔で凛に手を振った。



外に出たついでに、奏にメールを送る。

『心配すんな、ただのサボり』

これで納得するかな…

多分、難しいだろうな…

苦笑いを浮かべて、携帯の電源を落とす。


息苦しい…

心臓が痛い…

病室に戻る途中のエレベーターの中、ガクンと身体から力が抜け落ちる。


『無理が祟る』

よく言ったもんだな。


俺の体調が悪くなり始めたのは、このバスケでの無理が祟ったのかもしれない。



いつもの検査。

モニターを見つめる凌太先生の顔つきは、かなり険しい。


「夏休みの終わり1週間、入院してしっかり検査しよう」

「……何で?」

「うん、一度キチンと調べたいだけ」


この時感じた”嫌な予感”

思えばこれが兆候だった。


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