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pure love

第4章 距離

「……勝負してやるよ」

「は?」

突然の平野の言葉に、俺の口から間抜けな声が零れた。


「体育はいつも見学の運動音痴なお前のために、フリースローで勝負してやる」


ドヤ顔で俺を見る平野。

奏情報だと、平野はバスケ部だ。

勝負は自分の得意なバスケにするとか…何か男らしくない野郎だな。


でも、

そんな勝負、受けるつもりはない。



「何の勝負だよ?」

答えは分かり切ってたけど、敢えて平野に聞く。

「凛を賭けた勝負に決まってんだろ」


─────ほら、な。


”凛を賭けた勝負”?

コイツ、何様のつもりだよ?


「凛はモノじゃない。賭け事の賞品にするなんて、お前どうかしてる」

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