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pure love

第4章 距離

「絶対に許さないからな!」

後々面倒な事になりそうな言葉を吐いて、平野が立ち去る。



「……何かされたら奏のせいだからな」

ため息交じりに奏を見れば、

「命懸けで蓮を守る♡」

まだふざけるつもりらしい奏の答え。



「凛、行こ」

呆然と俺たちの様子を見ていた凛に声を掛ければ、凛はハッとした様子で俺の後ろに着いてきた。


浮気は許さないぞーと今だ気持ちの悪い事を言う奏の声も遠ざかり教室が見えてきた頃、

ピンッ

と、弱い力でワイシャツの裾を摘ままれた。



「あのっ…蓮くん、さっきはありがとう」

俺のワイシャツを引くのは凛で、少し赤らめた顔で俺を見つめている。

そういう仕草は可愛くて、つられて赤くなった顔を見られないように前を向き、

「別に…」

と素っ気なく返していた。



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