神様の独り言
第6章 神様は罪を許し歌う
二人はテーブルにつき食事を始めた―――――…
ハキにとって、久しぶりのちゃんとした食事だった
しかし…
ハキは、あまり食べられなかった…
あまりにも粗末な食生活で…
胃袋が成長しなかったのだ
『残しても構いませんよ?無理は禁物でございますから』
酒井は、ハキにも分かりやすい手話で話しかける…
よく見ると…道子も少食らしく…朝食はほとんど残っていた…
『ごちそうさまでした』
道子は、酒井に手話でごちそうさまを言うと…
ハキにも、“ごちそうさまでした”の指を教える…
「“ごちそうさまでした”よ…やってみて?」
ハキは、恥ずかしそうに指を出すと…
酒井に向け…道子と同じ動作をした――――――――…
『はい、どういたしまして』
と、酒井は微笑みながら…手話で返した…
ハキは、“ごちそうさま”が通じた事が嬉しかったのか…
道子に向けて、はにかんだ…