神様の独り言
第8章 神様は愛を理解する
道子は、あの日以来倒れる事はなかったが――――…
酒井は、心配で毎日の体温や血圧を調べている…
『大丈夫――――?熱?』
「ありがとう…大丈夫よ」
片言だが…ハキも手話で会話が出来るようになってきた
道子は、ハキの指が動く度嬉しくてニコニコしていた…
『倒れた―――…また?倒れた?』
また…倒れたりしないか心配するハキの指――――…
「大丈夫だよ…
あ――――…今日…ハキの戸籍が出来るって…酒井が言ってたわよ?」
『!!本当に?』
ハキの指が弾けるように駆け巡る!!
テンションが上がったハキの姿に道子は――――…
少し…後ろめたい気持ちになった―――――――…
ハキを手に入れるため…
違法な手段で入手した戸籍だ…
この戸籍の人物の件を聞いたら…
悲しむのではないか…と…
道子は、不安そうに眉を潜めた―――――…