神様の独り言
第8章 神様は愛を理解する
『道子様…大丈夫ですか?』
説明をしていた道子の顔色が悪くなるのを見た酒井は、水を差し出す―――…
だが…同じぐらい…顔色の悪いハキに…酒井は道子同様水を差し出す…
しかし…二人は水に口をつけなかった――――…
『――――…道子様…ハキ様―――――…』
酒井の手話に…ピクリと反応したのはハキだった―――…
青ざめた顔を酒井に向けると…首をフル―――…
『違う…俺………裕太…』
ハキの指は……ぎこちなく“裕太”と動いた…
「ハキ……?いいの?」
道子は、ハキの震えながらも受け入れてくれた事に……驚きを表す
『―――…でも…お願い…裕太に…会える?』
ハキの手話に…道子は、意味が解らず―――――…酒井を見る…
酒井も…ハキの手話は、まだ言葉足らずで――――…
少ない言葉を組み合わせて理解するのに時間がかかった…