恋密度〜百合LOVE特集・編
第3章 アダルトレズ 花の戯れ
「なるわ………」
白い陶器のような滑らかな肌を羨みながら、ケーキに手を付けやけっぱち気味に口に突っ込んだ私は彼女の言葉に、ん?と動きを止めた。
美しいその人は広い庭先と同様、指先まで手入れの行き届いた手を組むと顎に当て、私を見つめている。
「綺麗になりたいと願えばね…女っていくらでも美しくなれるものなの…」
艶のある唇が魔法の言葉を唱える…
「女は魔物。男がそう思う由縁よ……化粧っ気もなかった娘が恋を知った途端一晩で変わる…“綺麗になりたい”そう素直に願うだけで瞬く間に綺麗になれる。私はそのお手伝いをしてるから常にそう実感するわ」
「お手伝い?」
彼女はふふ、と笑い頷いてフォークを握ったままの私の手を取る。
「心が荒めば肌は瞬く間に荒れてしまうわ…女性の肌は本当に正直」
綺麗な手を重ね、優しく私の手の甲を撫でる。
「可哀想に…本当はとてもきめ細かな肌なのにもったいないわ」
そう囁くとねえ、と私を見つめた。
「愛美さん、綺麗になりたいって思う?」
「そ、れは、もちろん…です」