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溺れる愛

第17章 社会人編スタート





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すごい…さすが若くして専務まで登りつめただけのことはあるわ。

さっきから話がすごくスムーズに進んで
私も気兼ねなく意見を言えるようにさり気なくリードしてくれている。


こんな大人な対応が出来るなんて…
実はただ童顔なだけでもっと年上だったりして?


そんな事を考えていると、打ち合わせが一段落ついたところで
田所さんが休憩を提案してくれた。



「珈琲でよろしいですか?」


『あ、はい。ありがとうございます』



田所さんは、これまたスマートに女性社員に珈琲2杯を頼むと
机の上で両手を握り、まじまじと私の顔を見てくる。


え…えーっと……。


なんだか凄く気まずいんですけれども…。


どうしていいかわからなくて視線を泳がせていると
ぷっと吹き出した様な笑い声が聞こえてくる。



「ははっ、新井さんて面白い方ですね」


『え?はぁ…あんまり言われないですけど』


「そうですか?僕はとても興味がありますよ」



興味って…。

この顔で、この対応で、この言い回し…
田所さんって実はかなりの遊び人なのかな?



『それは…ありがとうございます』


こういうタイプの人とどう接したらいいのかわからないけれど
いざ仕事の話になると顔つきが変わる。


ONとOFFの切り替えが凄く上手な人なんだなと思って
そこはとても尊敬出来る。


仕事が出来る人は好き。

別に出来なくても一生懸命な人も好き。


何かに打ち込んでいる人の姿を見るのは
私にとっても凄くいい刺激になる。


私は感慨深く田所さんを見つめた。



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