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溺れる愛

第23章 この幸せを守りたい




「あー腹減ったなぁ…」


先にベッドから降りて、那津は欠伸をしながらそんな事を言っていて

それがなんだか凄く愛しくて…。



『何か作ろうか?』


彼の背中にそう問いかけると、



「まじ?すげぇ楽しみ!」


思いがけず、満面の笑みを向けられて…


私はびっくりして固まってしまった。



こんな表情…初めて見た…


凄く良い顔をして笑うんだね…。


笑える様になってくれたって事だよね…。



「芽依?どうした?」


『ううん、何でもない。ご飯、何がいい?』


私は、嬉しくて泣きそうだったけど
それ以上に笑顔が込み上げてきて


急いでベッドから降りて那津の腕に自分の腕を絡めた。


「ちょ…急にどうした?」


那津は少し照れているみたいで
それもまた初めての表情で…


慌ててる那津も可愛い。


そんな事言ったら、多分怒るから言わないけどね。



『ううん。なんだか嬉しくて』


「…変な奴」



なんか…こんなに幸せでいいのかな。


こんな日が来るなんて…思っても見なかったから。


那津……ずっと一緒にいようね。

いっぱい笑おうね。


二人で、幸せになろうね。



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