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溺れる愛

第25章 引き裂かれる二人




会場の大きな扉を開けてロビーに出る。



だけどそこには誰の姿も無くて…。



『那津…?どこ…?』



キョロキョロと辺りを見回しながら歩くと


突然後ろから口に布を押し当てられて


私は咄嗟に大きく息を吸い込んで後ろを振り向こうとした。


だけど、途端に頭がクラクラして…



何か薬を嗅がされたんだ…



そう思った時には、時既に遅しで


私は床になだれ落ちる様に倒れ込んだ。




意識を失う寸前



真っ赤なハイヒールを履いた足元だけ



霞む視界ではっきりと見えたんだ。




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