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「では上様…
本日は九条殿、明日は夏津殿、
一日開けまして…鷹司殿との夜伽を
お願い致します。
上様に御異存がなければ
それで夜伽は終了と致しますが…
ご希望があれば再度整えますので
何なりとおっしゃって下さい。」


春日局様が事務的に言う。

多分…私が次の恋に進むことを
応援しようとしてくださっている
のだと思うけど…

愛していた方にそのように言われて…
簡単に気持ちを
入れ替えられる訳は無い。

春日局様はとても頭のいいお方だけど…
やっぱり女の気持ちには
疎くていらっしゃるのかな…
と私は一人悲しく笑うしかなかった。

気持ちを通じ合わせるだけでも
あれだけ時間が掛かった…
でも、やっと通じて…
せっかく通じたのに…なのに…

泣いちゃ、だめ。

上様としての残りのお勤めを
果たさないと…
夜伽も立派な公務なのだから。