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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第1章 始まりはまるで最悪のドラマのように

 いつもは感情を露わにせぬ祖母が面長の上品な顔を夜叉のように歪め、声を震わせて叫んだ。幼い美奈恵はただただ怖ろしくて、訳が判らないままに泣きながらひたすら謝った。
―お婆ちゃま、ごめんなさい。
 そのときは何故、祖母があれほどまでに怒っていたのかを理解できなかったけれど、今なら判る。

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