テキストサイズ

レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

 美奈恵は唇を噛みしめた。返事がないのをYesと取ったのか、剛史が再び紐に手を伸ばす。美奈恵は彼の大きな手のひらをそっと上から押さえた。
「止めましょう。こんなことをしても無意味だわ」
「無意味だって?」
 剛史が上目遣いに美奈恵を見た。
「だって、私たちは友達で幼なじみで―」
「その科白はもう聞き飽きた」
 剛史は切り捨てるように言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ