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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第1章 始まりはまるで最悪のドラマのように

 君は日頃から言っていたね。けして亡くなられたご両親のような生き方はしたくないと。しかし、僕から見れば、やはり君も似たようなものだ。京都の水無瀬家を継いで先祖伝来のものを守っていれば良いものを、敢えてお祖母さまを怒らせる危険を冒してまで保育園を作るだなんて、馬鹿げているとしか言いようがない。
 僕は控えめではあるが、何度も君に保育園は諦めるように言った。だが、君は僕の言うことをいつも適当にはぐらかしていたね。あの頃から、僕は君との結婚について懐疑的になっていたんだ。

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