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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

 今なら、美奈恵は母の気持ちが少し判るように思える。父も母も恐らく最後まで幸せだったに違いない。心から愛する人に出逢い、短い人生を精一杯生きた。そのひたむきな生を誰が否定できるだろう? 
 自分は確かに愛されていた。両親が求め合い愛し合った結果、望まれてこの世にやってきた。今この瞬間、生まれて初めて美奈恵は自分をこの世に送り出してくれた父と母に心から感謝することができたのだった。

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