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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

 美奈恵は力ない足取りで浴室に向かった。身体中に散った花びらは剛史が情熱的に彼女を求め刻みつけた痕跡だ。
―これで良かったんだわ。
 自分に言い聞かせた。たとえ別れがすぐ先に透けて見える儚い関係だったとしても、彼に抱かれても良いと思った。その想いは自分でも否定したくなかった。
 油量をマックスにして熱いシャワーを頭から思いきり浴び、美奈恵は水滴ではないものが頬をつたうのを感じていた。

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