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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第1章 始まりはまるで最悪のドラマのように

「健吾さんと同じね、いざというときには役に立ちもしない」
 高いお金を払ってやっとの想いで買ったスマホは再起不能なほどに壊れていた。肩を竦めてスマホを放り投げ、窓際のデスクの上のショルダーバッグを引き寄せる。いつも通勤に使っているアイボリーのシンプルなバッグだ。
 中からシステム手帳を取り出し、パラパラとめくった。スマホのアドレス帳に登録してあった住所録がそのままこちらにも控えてある。

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