レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~
第2章 偽りのウェディング・ベル
教会の前にはひと群れの秋桜(コスモス)が秋風に揺れている。誰が植えたものでもなく、ひとりでに芽吹き、花開いた秋桜の姿はひっそりとしていながら凜としてたおやかだ。
式が始まる直前、支度を調えた新郎新婦は教会大広間のドア前で待機している。
秋桜の風情を思い出している中に、美奈恵の眼に熱いものが溢れた。白いウェディングドレスは肩やデコルテを出した少し大胆なデザインだ。その分、トレーンは長く引いて飾りは少なめなシンプルなもので、開いた胸回りと裾に真珠が波形に縫い付けられている。
式が始まる直前、支度を調えた新郎新婦は教会大広間のドア前で待機している。
秋桜の風情を思い出している中に、美奈恵の眼に熱いものが溢れた。白いウェディングドレスは肩やデコルテを出した少し大胆なデザインだ。その分、トレーンは長く引いて飾りは少なめなシンプルなもので、開いた胸回りと裾に真珠が波形に縫い付けられている。