テキストサイズ

レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第2章 偽りのウェディング・ベル

 祭壇の前まで来て二人は止まった。六〇歳くらいの額の禿げ上がった牧師が待ち構えている。柔和な面立ちの優しそうな雰囲気の人だ。
「汝はこの女を妻とし、生涯愛することを誓いますか?」
 問いかけられると、剛史はすぐに〝はい〟と力強い声で応えた。続いて、美奈恵にも同じ質問が与えられる。
 偽りとはいえ、確かに神の御前で誓う神聖な儀式なのに、こんな嘘を言っても良いのだろうか?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ