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「再会」と呼べる「出会い」

第1章 苦過ぎた初体験

「いーよねーミカは 
 超イケメンの大学生の彼氏がいて
 あたしも早く彼氏ほしーっ!!」
そう叫んだのは友達の百瀬エミ。

「エミは美人だもん。
 選り好みし過ぎだから出来ないんだよ」
と返したのは私、佐伯ミカ。
「そうそう、理想が高すぎんのよ。」
お弁当の卵焼きを口に入れながら
お下げ髪の似合うヤマチャン。
「エミちゃんはモテるじゃない。
 こないだも告白されてるところ、見たよ
 ミカティのオニギリ五目ご飯だね!
 おいしそーっ!」
「今日はうまく炊けたんだ
 良かったら一個どうぞ」
「いいのっ?ありがとう!!」
食いしん坊のミッチ。
ふっくらした身体とフワフワの髪、
いつも柔らかな表情は本当に癒し系。


今日は始業式。
私達は高校三年生になる。
進学校と呼ばれるここ、
都立酉丘高校に通う私達4人、
つまりは受験生。

けど春だもん。
窓から見える桜が綺麗だもん。
先月は大好きな先輩達と
涙のお別れをしたんだもん。

次は「出会い」を求めちゃうよね。

「で、どうなのミカ
 優司先輩とはしたの」
「んぐっ!!」

突然エミにそんな事を聞かれ
飲み込んだばかりのごはん粒が
おかしな所に入っていく。

「気になるねー。」
ヤマチャンまで…。

「付き合って二週間かー。
 ミカティ可愛いもん。
 ムラムラッときちゃうよね 絶対」
ミッチ…。

「うちらの間に隠し事は無しでしょう?
 どうなの? 教えてよ」

そんなの聞いてどうするんだろ。

「うちら経験ないからさ
 実体験、聞かせてくれない?
 気持ちいいの?
 やっぱ最初って痛いの?血って出るの?
 
 イクってどんな感じ?」

むせるのが収まった私は
なんとか声を出した。

「ごめん 私アレの何がそんなにイイのか
 全然分からない」


付き合って三回目のデート。
私は彼の部屋で激痛に必死で耐えていた。

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