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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

ヤマチャンとミッチの他に
さっきから何度も
もう一つの声が聞こえる。

その声は…

間違いない。



あの、優司くんとの初体験の日から
聞こえなくなっていた声だ。






あなたは  誰?



私の中に  いるの??



 

    いるよ
    私はあなただから




…私? 何?

    彼ともっと側にいさせて…
    私はそのために…

彼って?





「お にぎわっとるのぅ」

「いらっしゃいませ
 席はこちらでいいですか?」

「あぁ
 ダーマスペシャルを頼む。
 アイスクリームはダブルで」

「かしこまりました」

「…見知った魂がおるのう」

「彼女の事ですね
 やっと会えたようですよ、彼に」

「さようか
 して、どうじゃ?気付いたか?」

「何となく、といった感じですね。
 確信はしていないようですが。」

「確信しとらんか…。
 現状を優先しとるんじゃな。
 奴も人の事には世話を焼くが
 自分の事に関してはどうも
 おざなりになりがちじゃて」

「そうなんですよね」

「あんしも、諭してやってくれ。
 でないとダーマの気持ちが
 汲まれんようになる。」

「はい、私も是非、
 そうしたいところなんですが…
 どうやら彼女、既に
 恋人がいるようで…」

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