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「再会」と呼べる「出会い」

第2章 郵便局を曲がって…

“あかねちゃん”?

自分より目上の
しかもこれから編入する学校の
校長先生に対してそれは失礼だろ?

私は耳を疑った。

「その方がいいわね。
 けど今度からは校長先生って
 呼んでね。
 みんな混乱しちゃう」

立ち上がり炭石先生が
チラッと私を見て言った。

二人は店の
奥の方に消えてしまった。

「編入って手続きが色々
 あるみたいで…
 あ お嬢さんと学年一緒なんです
 仲良くしてくださいね
 海外にいたせいか
 少し浮世離れしているというか」


納得

「娘にも話しておきますよ
 こちらこそよろしくお願いします
 けどお二人 本当にそっくりだ」

「よく言われます
 親戚なんですよ」

「そうでしたか…

 ん おいっしーっ!
 コーヒー、最高です」

こんな美味しいコーヒー
初めて飲んだ…。

「こちらも よろしければ」

「うぅわぁあああ……
 ティラミス 私大好物です!
 もしかしてマスターが?」

「昔 パティシエだった
 時期がありまして」

「おいっしい!
 …あの どうして
 やめちゃったんですか??」

この味
宝石のような見た目

それにマスターの顔

繁盛しないわけがない


「コーヒーの奥深さに
 魅了されまして
 路線変更したんです。

 それに 人が集まれる店を
 やりたかったものですから」

そうだったのか

…みんな色々な人生を
持ってるからな。

…私自身も





「また来させて頂きます」

「是非。
 次回作 楽しみにしてます
 ありがとうございました」


マスターの笑顔に見送られ
私は店を後にした。

次回作か
…しまった!! 
締め切り明日だっ!!

私は来た道を走った。




【軽食・喫茶 濁天】
この店は私の癒しの場となり、
私は店の常連になった。

まさか娘が
私以上の常連に
これからなるとは
知る由も無く…



だがそれは 別のお話。



■□■ 第二章 おわり ■□■

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