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エール

第1章 リーヴル

もぞもぞと落ち着きなく体を動かしてみたり、奈帆のいる方とは反対方向を眺めてみたりもした。


でも、奈帆のいる左の半身が以上に熱くて、何故か恥ずかしい。



数秒反対を向いてみては、チラッと奈帆の顔を伺う。その繰り返し。



永遠にも思えたが、実際は数分しか経ってはいないだろう。


思いきって席を立ち、ジリジリと奈帆の側に移動する。



いつもは凛とした光を灯しているその目も、今は閉ざされている。



今ならいけるかもな。



俺はあの奈帆の澄んだ瞳に弱い。



でも、目を閉じてる今なら......!



こんなチャンスは二度とないかもしれない。



ゆっくりとしゃがみこみ、髪に隠された顔を覗き込む。

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