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エール

第1章 リーヴル

目が閉じてる今なら、顔を見れるかもな…。


恐る恐る手を伸ばして、顔にかかった前髪を払いのける。



そして、そのまま顔を覗き込むようにして近づける。



「あ……。」


と、突然奈帆が呻き声を出す。


起きた!?


ビックリした俺は慌てて後ろに退こうとした。


…しかし、後ろにはちょうど教卓が置かれてあり、ガタタッと音をたてぶつかってしまう。


当たった背中の後ろから、置かれていた荷物が雪崩れのように崩れていき、バサバサっと床に落ちた。


「うわっ。」


…………そして、俺は落ちてくる荷物を避けようと、前に突っ伏していた。


そう、前に。

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