テキストサイズ

エール

第1章 リーヴル

......

「プッ、ハハッ。」

「い、いつまで笑ってるんですか!もう、いい加減!」


「ごめんごめん、でも寝顔が面白かったか、ら。」


苦しそうに、涙目になりながら言う和希君。


もう、ハズカシイ............。



好きな人に、変な寝顔を見られるなんて、一生の恥...。



私は分厚い本で顔を隠して、必死に言い返す。



「恥ずかしいんですから、もうそれ以上は言わないでくださいっ。」


「わ、かった.........。」



尚も息苦しそうに笑いを堪えながら、和希君が頷く。


「もう.........。」



むくれながらも、和希君とこんなにたくさん喋ったのは初めてだということに気づく。



「ふふ.........。」


こんなにたくさん喋れたんだから、寝顔見られたのもまあ、いいかなと思えた。



...出来ることなら、もう見られたくはないんだけど。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ