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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

(このまま……心臓に手刀を撃ち込めば……)

手に気を籠め、着地しながら構える。

月影は脳震盪を起こし、隙が生じていた。

しかし、撃てない。

その躊躇いがむしろまあやに隙を作る。

「退ッ!!」

月影は地面の砂を蹴り、まあやに目眩ましをかけた。

「うっ……」

その隙に月影は再び夜の闇に紛れた。

北の都での静かな闘争はこうして幕を下ろした。

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