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闇の王と光の騎士

第3章 混沌の幕開け

国王が捕らえられた時のことを、彼女は今でもたまに夢見てうなされる。

必死に交戦するソラの前に立ちはだかった、黒いローブを身に纏った年端のいかない少女の姿がソラの記憶から消えることはない。

ローブの少女は魔術を使い、華麗な剣さばきと身軽な動きでソラを追い込んだ。

自分よりも年下とは思えないほどその動きは、恐怖を覚えるほど殺しを熟知したものだった。

そして目の前で国王が捕らえられた時の苦しさが胸に迫る。


「…………国王様……私は必ず……王国の無念を晴らします……」

滅ぼされし王国の国王より授かった深紅の鎧の中の胸中で、ソラは今一度強くそう誓っていた。

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