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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第15章 ★5分の差

………ギロリと睨みつける周りの女達。


あたしの潔白を晴らす為、きちんと釈明させていただきますが


あたしはこいつらの彼女でも無ければ、手を出されたことだって一度も無い。


入学してから、学部の同じヒメとは既に仲が良かったし


何気なく始めた水泳部のマネージャーのあたしは、エースである蓮を当然知っているわけで


………だけど


おそらくうちの大学で1、2位を争うイケメンの2人が


こうして同じ場所に立ち、喧嘩をする姿を見るのは初めてだった。




“ 水泳部のマドンナ ”




………蓮、頭イカレたの?


ブルーシートに座り見学するギャラリーと一緒に、あたしは呆気に取られて蓮を見つめた。


誰がどう見ても、男といる方が楽なあたしにその代名詞は当てはまらない。


さっきからムキになって、ヒメと漫才を披露してるあんたも初めて見たし


硬派で水泳にひたむきに取り組むいつもの蓮からは、想像もできない姿だった。




『……クソ、マジで疲れるな。
だから今まで避けてたのに』




ヒメとの低レベルな言い合いを一通り終えて、言葉遣いまで別人になった蓮。


あたしと目が合うと


着ていた自分のパーカーを脱いで放り投げてきた。




『ヒカル、それ着てろ』


『………!』


『いくら春でもまだ冷えるから。

そのバカに合わせて、飲み過ぎるんじゃねーぞ』

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