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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第16章 ★行かないで

『………ヒメ?』

「蓮、お前だって悪くねぇ」




俺と同じように、ずっと美和を想い続けていた。


あの頃、蓮がどれだけ美和を愛していて、大切にしていたか


この俺が1番よく知っている。




「お前の……CAの彼女だって
何一つ悪くないんだ」

『…………!』




約2ヶ月前のバレンタイン当日、偶然出会った空港で


蓮の真意を代弁した俺に、涙を浮かべてありがとうと言った彼女を思い出す。


彼女こそ、蓮を理解し、蓮と共に歩むことの出来る女だ。


………2人が固い絆で結ばれていることだって、充分分かってる。




『……………』




蓮は、沈黙したまま何も言わない。


さっきから繰り返している、意味不明な俺の言葉を


表情の見えない中でも、奴は既に感知したんじゃねーかと思ってしまう。




歩道の端の、街灯の下で


俺は携帯を耳にあてたまま、その場にしゃがみこんだ。

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