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『さすが沙月ちゃん！
回復も早いのね～』

「はい！もう完全復帰です！」



連休明け、火曜日の夜８時。


会社のエントランスを抜け、駅までの道を歩きながら


電話口の莉央のお母様に向けて、元気良く答える。


昨日は久しぶりに１日家でゆっくりしてたから、体がとっても軽い♪



「さっきまで翔ちゃんのお嫁さんと電話で話してたんです～。
もう、めっちゃ良い人！！」


『そうそう。
彩ちゃんも沙月ちゃんに惚れちゃったみたいよ♡』


「おばさん、今度女子会しましょうよ。
彩さんの家の近くに、すごく美味しいケーキ屋さんがあるそうなんです。
し・か・も、イケメンパティシエ付き♡」


『いいわね！
莉央は甘いのダメだし、翔太は邪魔だから３人で行こう！』



わ～～い！すっごい楽しみ！

こんな時は特に、女に生まれて良かったって思うわ～

スキップする勢いで、軽やかに足を進めていると



『あ、そうだ莉央と言えば。
さっき別件で電話したら、声がガラガラだったんだけど、あの子どうかしたの？』

「……え……？」



携帯を耳にあてたままピタッと足を止める。

おばさんはクククっと楽しそうに笑った。



『風邪でも引いた～？って聞いたら、沙月にだけは絶対に言うなって言って一方的に切られたのよ』

「…………！！」

『ま、私は沙月ちゃんの味方だし。
面白いから言っちゃったけどね～♡』