仰せのままに
第3章 想い人
「あんた、バカねぇ。」
「はぁ、バカ、、ですか。」
「だいたいは、メイドに手ぇ出す若僧が悪いんだけど。
それにしても、バカ。」
ご主人様を、若僧呼ばわりは良くないが、
一応、この人、私の上司。で、メイド長。
「そのまま、盗っちゃえば良かったのに。
遠慮の、安売りしすぎなの。」
「…。」
「明日吹っ切ればなんとかなるから、
しっかりすんのよ!?」
バシーンッって私の背中を叩いて、
部屋を出ていった。
重い瞼に気づいて、鏡を見て、
「冷やさなきゃ。」
その腫れ具合に驚き、
冷凍庫に入ってた氷で、目を冷やしながら、
落ちていった先は、
覚めてほしくない、夢の中。
私は、
和也様と、
笑っていた。