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先生、駄目ですっ……

第7章 図書委員の継承 2

「瑞浪先生、ここはいいじゃないですか。ほら、行きましょう」

妙に焦った感じの甲斐先生を睨む。

「何言ってるの、甲斐君。ここが私たちの原点でしょ?」

甲斐くん!?

私たちの原点!?

な、なにそれっ!?

ここは私と甲斐先生の大切な場所なのっ!!

十年前とは違うのっ!!

「せ、先生。甲斐君ってのはちょっと勘弁してください」

「あ、ごめんなさい。つい甲斐先生の顔を見てると昔を思い出して」

ふふっといたずらっぽく笑う顔は女学生のように無邪気だった。

それを邪気満点の顔で睨んでしまう私……

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