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LAST SMILE

第10章 知ってしまった痛み










「え・・・?」





何言ってるの?


「びっくりだよなぁ。亜貴は知ってんだけどさ、
 あいつ、うるせぇんだ。
 煙草やめろとか、あんまり運動すんなとかさ」








だからだ・・・。



祐兎はこんな性格だ。


強がって、
みんなに悟られないように振舞っている。




金髪は強がりの表れだった。



煙草を吸うのは、
躍起になっているか、




その行為もまた、病気を隠すため。



いつも水しか飲まないのは、心のどこかでは
必死に気をつけようとしている表れ。




そして、時折冷たい目をして、
遠くをみつめるようにするのは―









自分の死を覚悟して、
  すべてを悟ってしまっているから・・・。









「はは。そういえば悪ぃな。
 お前落としちゃってさ」


祐兎は楽しそうに
そう笑いながら煙草を取り出した。







やめて。




ダメだよ。



祐兎・・・。






気付くとあたしは
祐兎の取り出した煙草を払い落としていた。










「・・・何すんだよ」



「やめて・・・。祐兎」


「今さらなんでだよ。
 毎日吸ってんじゃん。

 あ、病院だから、とか言うんだろ?」






「ダメ!!!」





そう叫んであたしは、
別な煙草をくわえた祐兎にしがみついた。






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