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LAST SMILE

第7章 お兄ちゃん






*


亜貴とお兄ちゃんが会ったのは、
亜貴が1年生だった冬。


お兄ちゃんがSeesを結成しようと、
亜貴に声をかけたのがきっかけだったらしい。



亜貴は当時、
出来ないからと言って断ったみたい。



それでもお兄ちゃんにおされて、
ベースを教わり始めた。



亜貴はお兄ちゃんに気に入られていたみたいで、
よく一緒に会って話をしていたんだって。



そして、お兄ちゃんが卒業したあと、
亜貴の家にお兄ちゃんが訪ねた。



“妹をよく見ていてやって欲しい”って、
そう一言だけ言いに。






「なんで・・お兄ちゃんが亜貴に?」


「わかんね。そん時はほんとに、マジでわけわかんなくてさ。
 ていうか、奏磨さんの妹なんて、見せてくれなかったし、
 どんな奴だかわかんねぇよって思ってさ」



小さく苦笑する亜貴。


あたしはじっと、
リストバンドで覆われた手首を見た。




「でも、お前が中学の頃、屋上で歌ってたのを偶然見たとき、
 なんか、奏磨さんが歌ってくれるときと同じだったんだ」



「え?」




お兄ちゃん、歌なんて歌ってたの?


前に、あたしが歌を歌ってほしいって言った時は、
音痴だからダメだって歌ってくれなかったのに。



「同じって・・・」


「歌うときの声、声の高さは違うけど、歌い方がそっくりだ。
 その時、ああ、こいつが奏磨さんの妹なんだって分った」




亜貴はそう言うと、あたしをじっと見つめた。



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